「かみしめ」を治す1日3分セルフケア

口膨らまし

当院では、姿勢の悪さの矯正など、理学療法的な治療が終了し、歯科的な治療に入る前に、患者さんに「口膨らまし」を行ってもらっています。
口膨らましを繰り返し行うことで、かみしめる時に使われ、かつ緊張している咬筋を、解きほぐす効果があります。
やり方は、口を閉じて、両頬をプーッと膨らませ、しばらく持続させます。
この時、できるだけたくさん口の中に空気を入れて、最大限に頬を膨らませることがポイントです。
数秒間ほど膨らませたら、息を吐いて、元の状態に戻します。
次に、口を閉じたまま、上唇の内側に空気を入れて、膨らませます。
今度は、やはり口を閉じたまま、下唇の内側に空気を入れて、膨らませます。
このように、膨らませる場所を変えて、口の周りの筋肉をリラックスさせます。
1日に何回やってもいいですし、気が付いたときにやってもいいでしょう。

口の中の親指マッサージ

口の中の親指マッサージも、歯科治療に入る前に行います。
ただし、この方法は、歯科医である私が手技として行います。
また、患者さんにもご家庭で、自分でできるように指導もします。
行う目的も口膨らましと同様に、緊張している咬筋を解きほぐすためです。
やり方は、口を大きく開けて、親指の腹で頬の内側の筋肉を緩めるように、上下にグーッと押していきます。
この時、左頬は右手の親指で、右頬は左手の親指を使うとマッサージしやすいでしょう。
頬の内側全体をマッサージしたら、左右を切り替えながら、3~5回繰り返します。
ただし、頬の内側の粘膜は繊細で傷つきやすいので、強く押したり、こすったりすることは避けてください。
あくまでも痛みのない程度に、頬の内側が伸びる感じで押すといいでしょう。
さらに女性で爪を伸ばしている人は、医療用の手袋や指サックなどで、しっかり爪を覆ってからマッサージしてください。
また、親指が汚れていると口の中が不衛生になるので、マッサージをする場合は、しっかり手を洗ってからの方がいいでしょう。
もし、指を入れるのに抵抗がある人は、歯ブラシの先を使ってマッサージしてもいいでしょう。
ただし、歯ブラシの場合も、先がとがっていたり、強く押し付けると、粘膜を傷つけてしまう危険があるので、先の丸い歯ブラシを使用したり 、力の入れ具合にも注意してください。
親指でのマッサージは、歯磨きや洗面のときに、一緒に行うといいと思います。
内側のマッサージに慣れてきたら、あるいは時間的に余裕があれば、今度は内側と同時に頬の外側も残りの指で軽くつかみ、上下にゆすったり 、グルグルと回すなどして、頬の筋肉ももみほぐすようにすると、頬の内外の筋肉全体の緊張をリリースする効果が大きくなります。

舌グルグルストレッチ

アゴの下の皮膚のたるみの予防にも効果的

舌グルグルストレッチも、やはり口の周りの筋肉の緊張をリリースすることを目的としたものです。
やり方は、口を閉じたまま、下ではの外側をぐるりとなめるように、歯の表面をさわっていきます。
右に3回ほど回したら、次は左に3回ほど回すなど、左右、同じ回数だけバランスよく回していくことがポイントです。
最初は3回ぐらいでも、かなり舌が疲れますが、慣れてくると10回ぐらいは、容易に回せるようになります。
ただし、多く回せばいいとうわけではなく、毎日、少しずつ続けることが大切です。
最初は無理せずに、長続きできそうな回数から始めていきましょう。
この舌のストレッチは、口の周りの筋肉をほぐすと同時に、唾液腺を刺激するので、唾液の分泌も促します。
特に中年期以降、女性はホルモンの関係で、ドライマウスという口の中が渇いた状態になりやすいので、この舌のストレッチを行うと、
次に紹介する唾液腺マッサージと同様に、ドライマウスの予防にも役立ちます。
さらに女性にとってうれしいのは、やはり中年期以降、アゴの下の皮膚がたるみがちになりますが、舌ストレッチはその皮膚を引っ張り上げて くれる効果もあります。
また、口の周りにできる放射線状のシワや、ほうれい線を予防する効果も期待できそうです。 このように、舌のストレッチは、かみしめによる口周りの筋肉の緊張をリリースするとともに、年齢によって筋力が低下してくるアゴの下のあ たりの筋力や、舌の筋力をアップする効果もあり、かみしめの癖のない人でも、日常のケアの1つとしてお勧めです。
舌のストレッチに慣れてきたら、舌の回転に合わせて、眼球も同じ方向に回すようにすると、目の周りの筋肉のストレッチにもなり、眼精疲労 やドライアイの予防にも役立ちます。

あいうべ体操

「あいうべ体操」は、口の周りの筋肉を鍛える顔の体操です。
この体操の考案者は、福岡市の「みらいクリニック」の内科医、今井一彰院長です。
もともとは内科医として多くのリウマチの患者さんを診てきた今井先生は、リウマチ患者さんの口臭が強く、それは口呼吸が原因であると考え ました。
そこで口呼吸を防いで、自然に鼻呼吸に移行し、さらに唾液腺から唾液の分泌を促すことで、全身の免疫力を高める方法として、この体操を考 案したのだそうです。
口呼吸になる人は、口の周りや舌の筋力が低下していることが多く、そのためこの体操をすることで、口周りや舌の筋力を強化できます。
かみしめの癖のある人にとっても、口回りの筋肉の緊張をほぐすと同時に、低下しがちな顔の筋肉を鍛えることで、顔全体の力のバランスが良 くなります。その結果、顔の一部の偏った筋肉だけが緊張して起こるかみしめの解消にも、効果が期待できるというわけです。
「あいうべ体操」のやり方は下記リンクをご参照ください。
http://mirai-iryou.com/mc_aiube.html

唾液腺マッサージ

唾液は口のなかの細菌やウィルスの繁殖を防ぐ

かみしめていると、唾液の分泌が低下し、口の中が乾きがちになります。
唾液には、細菌やウイルスが口の中で増えるのを抑えたり、口の粘膜を守り、食べたものの消化を助ける、歯の表面を修復するなどの働きをする9種類の成分が含まれています。
従って、唾液の分泌が低下し、唾液の量が少なくなると、口の中がパサパサして、食べ物が飲み込みにくくなったり、舌がもつれて話しづらい、虫歯や歯周病になりやすくなるなどの症状が出てきます。
また、唾液分泌の低下の原因には、かみしめだけではなく、加齢やホルモンの低下、唾液腺周りの筋力の低下、ストレスによる自律神経のバランスの崩れ、薬の副作用、唾液が低下する病気、などがあります。
唾液を分泌する唾液腺は、口の周りに3か所あります。耳たぶの下あたりにある「耳下腺」、アゴの骨の内側にある「顎下線」、下アゴの舌の付け根にある「舌下腺」です。
また、耳下腺は上アゴからサラサラした唾液が、顎下腺と舌下腺は下アゴから少し粘り気のある唾液を分泌しています。
この唾液腺のあるあたりは、ちょうどかみしめで筋肉が緊張している部分でもあるので、この3か所の唾液腺を、顔の外側からマッサージすると、唾液の分泌を促すだけでなく、顔の筋肉の緊張を和らげたり、凝りをほぐすことができ、その結果、かみしめの解消にもつながります。
唾液線マッサージのやり方は、耳下腺には両手の指全体で、上の奥歯の周囲を後ろから前に向けて、円を描くようにもみほぐします。
顎下腺には、親指をアゴの骨の内側の柔らかい部分に当てて、耳の下からアゴの下までを順番に、優しく押していきます。
舌下腺には、両手の親指の腹を使い、アゴの下を軽く押すようにマッサージします。
1か所につき5~10回を、食事の前に行うとより効果的です。

首、肩のストレッチ

緊張型頭痛の症状を緩和するのにも有効

かみしめの癖のある人の多くは、肩こりや首こり、あるいは慢性的な頭痛に悩まされているのではないでしょうか。
このような症状の緩和には、首や肩のストレッチを行うとよいでしょう。
首や肩のストレッチを行うことで、緊張している首や頭部の筋肉を柔らかくし、血行もよくなるので、慢性的な頭痛(緊張型頭痛)の症状緩和や予防にも役立ちます。
首のストレッチのやり方は、首を左右と前方にゆっくり傾け、20秒ほど傾けた姿勢を維持したら、また元のまっすぐな位置に戻します。
あるいは、右から前、そして左へと半円を描くように首を回すのもいいでしょう。
ただし、後方へ首を傾けるのは、頸椎に損傷があるなど、首の悪い人には危険なので、後方へは傾けないようにしてください。
また、痛みがある場合は、それ以上行わず、その時点で終わりにしてください。 肩のストレッチのやり方は、肩甲骨を大きく回すように、腕を10回ほど回し、次に反対回りで10回ほど回すだけです。
ゆったり呼吸しながら行うと、身体も温まってきます。
このストレッチも、痛みを感じたらその時点でストップしてください。
そして、勢いよく腕を回したり、反動をつけて回すようなことは避けましょう。

診療時間

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