(喰いしばり、噛みしめ、クレンチング、TCH)NO1

TCH■NO.1噛みしめ症候群喰いしばり、噛みしめ、クレンチング

私が患者さんと向き合い始めて、早30年以上たちます。

20代後半から30代前半にかけて歯科は完璧なテクニカルが制すると思い、根の治療、歯周治療、補綴治療などと完璧さを求めて精進していました。

ところが。30代後半からどこで聞きつけたか、
「歯が全部あるのに噛めない」「虫歯でもなんでもないのに歯が痛い」とか「他院にて歯科治療を受けてから体調が思わしくない」とか、歯科のテクニカルをもってしても改善できない患者さんが知らないうちに多数を占めるようになりました。

当然、先輩の歯科医や大学教授や色々な先生に質問を浴びせましたが、誰一人として私が納得できる答えに巡りあうことができませんでした。

ただ目の前にこのような問題で悩んでいる患者さんが多数いると言う事実だけがありました。

そのころTMDと言う言葉を初めて目にしました。

それから20年経った今歯科の諸問題がどうして引き起こされ、そしてどんな治療をしていくのかはほとんど理解できるようになりました。

TMDの本の中に重要な事が書かれています。

上下の歯が接触するのは咀嚼サイクルの最後の瞬間と嚥下の時だけで、これ以外の時には歯が接触しないのがふつうです、もしそれ以外の時に上下の歯が接触しているならば、それは食いしばり、噛みしめ、クレンチング、TCH(どれも同じ意味合いの言葉です)があるという事なので、直ちにやめなければいけません。

何故なら、喰いしばりは歯や歯周組織、顎関節、筋肉に大きな負担を強い、痛みの原因になるからです!

そして、歯を離しておくための方法として「唇を閉じて、奥歯を離し、顔の力を抜く」という簡単なフレーズを患者さんに教えます。

現実的にはこれだけでは治りませんが、様々な本で紹介されており(TMDのマントラ)と呼ばれています。

最近では神経内科でも、緊張型頭痛に対する生活指導として取り入れられています。

食いしばりは持続的に200kgの力が歯、歯周組織、顎関節、頭蓋頸部を支持する筋肉に加わります。

このTMD関連の本は、歯科界にすでに数十冊も出版されています。

20年前のお話です!

井出デンタルクリニック

(無知)

先日、歯の知覚過敏用のペーストを販売している会社の女性の担当者から病院に電話がかかってきました。

当社の000000は如何ですか?と。
担当の衛生士が当院には知覚過敏の患者さんはいませんと答えたところ、患者さんの問診が足りないのではと返されました。

当院では患者さんの初診時には必ず私が拝見し診断します!
私がその担当者の電話に出ていたら、怒鳴りあげているところです!
医療者の無知は私は犯罪だと思います

次回から歯科の最大の原因に触れていきますが喰いしばり(噛みしめ、クレンチング、T,C,Hとも言います)を解除すれば虫歯でない知覚過敏は治ります。

アメリカの文献では知覚過敏はDental Complession Syndromeの一つと言われます。
読んで字のごとく歯科的な負荷(力)ですよ!

一年ほど前にある患者さんが来院されました。
お口の中そこらじゅうがしみて困っていると!

私の病院に来られる前にある歯科医院を訪れ、しみる歯は全部歯の神経を除去しセラミックの歯を被せれば大丈夫と言われたそうです。
数百万の治療費です!

患者さんはお仕事が忙しく、体中の筋肉が緊張してバリバリ。見るからに疲労困憊!
そこで食いしばりの弊害をお話して、セルフケアーの仕方をお伝えしました

1週間後ほとんどしみるのは収まっていました。
20年前に出た歯科の教科書通りのお話をしただけです!

こんなことが歯科の中には一杯あります。

医療者の無知は困ったものです!ちゃんと教科書を読めば解決できます!