では「正しい姿勢「とは?
よくTVなどで左右の腕を上にあげたとき左右の耳に沿っているとか、背中を壁につけてこうなると正しい姿勢だとか、猫背だから左右肩を開いて左右の肩甲骨が付くように、とか色々な情報が飛び交っています。
正しい姿勢は意識して維持するものではなく、又一時の外見上の姿勢ではなく、身体本来の動き、働きが最小の力で発揮される状況で、全身の筋肉のバランスが良く、全ての関節がバランス良く動き、骨格的なバランスも良いと定義づけられると考えています。
言い換えると座っている時、歩いている時、立っている時等、「全ての筋肉に緊張がなくバランスよい状態」が「正しい姿勢」です。
筋肉的には何処にも凝りが存在しないということです。
歯科的には左右の顎関節の動きに左右差がなく、時として大きく口を開けることが出来、痛みもなく、「かく」っとした音もなくスムースに動いていることです。
その時の顎口腔系を司る咀嚼筋群も凝り、或いは固くなく柔らかな状態であることが必須になります。
口を開けたり、閉じたり、顎を前に出したり、咀嚼運動時に関係する筋肉が、バランスよく収縮と伸展を繰り返すことです。
未だかつて歯科に来院される患者さんでこのような「正しい姿勢」の方にお目にかかったことがありません。